身近な看護師と話をすると、みんなが口を揃えていうのが「残業代が出ない」ということ。すべての病院でそうとはいえませんが、サービス残業が多いのは看護師あるあるといっても過言ではないようです。実際、看護師という職業を深く見てみると、残業代をスルーされやすい傾向にあることが考えられます。
たとえば、急性期の病棟に勤務している場合、緊急入院する患者さんの受け入れや急変の対応に追われることになります。そんな突発的な出来事はイレギュラー対応であり、押されて終業時間を超えてしまうこともあるでしょう。また、患者さんやその家族からの相談にを聞くようなこともあり、「終業時間ですから」と話を途中で打ち切ることはできません。その結果、暗黙の了解でサービス残業にせざるを得ないような状況になりがちです。
そして看護師は患者さんの日常ケアだけでなく、1日の終わりに看護記録を記入する作業もあります。看護記録は看護の内容や経過、そして看護計画などをまとめなくてはならず、時間がかかるものです。病院によって看護記録は定時勤務終了後に書くことが決まっているところもあり、必ず残業せざるを得なくなっています。
また、看護師は仕事前の確認作業が多いもの。仕事をスムーズに進めるために必要なことなのですが、これは自主的なものとなっているため残業に当たらないと認識されているところが多くあるようです。本来、こういった場合でも残業になるはずなのですが、病院側から自主的にやったものだと認識され、そのまま片付けられているケースがよく見受けられます。そして看護師側も、緊急対応や柔軟な対応で延長した残業は、お金を請求しにくいと考えている人が多いです。とはいえ、労働者として時間と労力を提供している以上、残業代は請求する権利があります。どうか尻込みせず、仲間と協力して堂々と声を挙げていきましょう。