看護師は人材不足でハードワークな現場が多く、突発的な業務も発生しやすいという特殊な仕事です。定時で終わる現場がほとんどないことから、毎日のように残業をする人が少なくありません。そんな中、残業代を出してくれない病院も存在しています。しかし、本来残業代はもらえるものであり、労働者として働いた以上、受け取るのは当然の権利です。もし未払いの残業代があるのなら、ぜひしっかりと請求し、対価をもらうようにしましょう。
未払いの残業代をもらうためには、準備が必要になります。タイムカードや出退勤のチェックシステムなどの証拠を集めておきましょう。コピーしたり、写真を撮ったりしておくと良いでしょう。すでにその職場を退職している場合は、元同僚に協力してもらう手もあります。残業代が未払いである証拠が揃ったら、まず直接病院側に請求しましょう。
サービス残業が当たり前な病院の場合、「あなただけ認めるわけにはいかない」「みんな同じように残業代なしで働いている」などと言って請求を受け入れないかもしれません。こういった場合は、労働基準監督署に相談することをおすすめします。労働基準監督署では、残業したという証拠があれば、勤務先に介入してくれることもあります。
とはいえ、労働基準監督署は残業代の回収をしてくれるわけではありません。絶対に回収したい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士はまず内容証明郵便で残業代を請求してくれます。それで先方が請求に応じてくれれば解決ですが、それでも応じてくれない場合は訴訟に移行することになります。ちなみに、残業代の請求権は3年で消滅するため、訴訟までを考えているのなら早めに行動することが大切です。
実際、こうした問題に直面し、どうにかしたいと感じている看護師もいらっしゃるかと思います。しかし、雇用先との関係を考慮し、動く勇気が出ずに足踏みしてしまうケースも多いのが実状としてあります。残業代を払わないのは、労働者の時間を無償で奪う行為と同じです。また、一人が残業代未払い問題にテコ入れすることで職場の在り方が変われば、他の人たちも助かります。ぜひ自分の意思と行動に誇りを持って、アクションを起こしてみてください。問題解決をよりスムーズに進めていきたいなら、情報収集をしておくことが大事です。事前に、看護師の残業代未払いの背景と対策をしっかり確認されることをおすすめします。